第5話

「杜環、いよいよ明日に20歳になるわね。昔に、悪魔のおとぎ話をしたの、覚えてる?」

「覚えてるよ。」


ちょうど一週間前、なぜか久しぶりに思い出していたところなんだ


「悪魔はね、20歳になると羽が生えるの。そして、1年以内に契約を結ばなきゃいけない。」

「なに、急に。悪魔は、ほんとにいるってこと?」

「そうよ。」


お母さんが涙を目にためて言う。

お母さんが泣いてるのなんて、初めて見る。

ずっと、いつも強くてかっこいいお母さんだったから驚きが隠せない。

どうしたの、今から何を言われるの。

全然意味がわからない。

戸惑いながら、返事をするけど、なんで急に悪魔の話?

お母さんは、なんで悪魔のことをそんなに知っているの?

聞きたいことがたくさんある。


でも、今は聞かなきゃ。



「あなたは、半分悪魔で、半分人間なの。だから契約する必要もないかも知れない。悪魔のもつその力も、ないかもしれない。でもね、」




何が起こるかわからないの

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る