第5話
貴方になんて返したのか分からないまま、気づけば私は家にいました。
改めて貴方から連絡が来ていた。
返信なんてできなくて。
ずっと画面を眺めていると、雨宮さんから電話がかかってきて。
こんな電話でも、少しでも声が聞けることが嬉しくてたまらないのは好きになった弱み
「はい、もしもし!」
「あー、あさひ」
「はい?」
「明日、みんなには話すから。」
「はい、全力でサポート、させてもらいます。」
「ありがとう。あさひなら、」
「はい?」
「あさひなら、大丈夫。」
電話越しだったけれど、不器用に困ったように笑うのが目に浮かぶから、
私は茶化すことしかできなくて、無理やりに笑う。
「いつか、また私も押しかけますね!笑」
「やめろ笑」
「私が退職したら!!!」
「させねえよ!?」
「私じゃ役不足ですか?」
「違う違う笑 あさひはみんなをまとめるのが似合ってんだよ。」
「えー???」
「うぬぼれんなよ笑」
「うぬぼれてなんかないです!笑」
「ま、お前は先頭に立つべき人間ってことだよ。」
「…雨宮さん、」
「惚れんなよ?」
「誰に言ってるんですか!笑」
「お前、明日覚えてろよ!?笑」
「最後のさえなかったらよかったですね!笑」
「うっせえなあ、笑」
「じゃあ、まあ明日、」
「あ、あさひありがとうな。」
「はい。」
「おやすみ。」
「おやすみなさい。」
ツーツーツー
電話の切れた音が耳元に鳴り響く。
気が付くとまた涙があふれ、スマホを持つ手は震えていた。
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