第3話
雨宮さんに出会ったのは入社して間もない頃。
私の人生の中であなた以上にかっこいい人にこれから出会うことはないと思いました。
私は雑用ばかり押し付けられて影も薄い存在。
それでも、めげずに笑顔でい続けた私に目をつけてくれて、
次の移動でいきなり社長秘書。
「杉山 あさひ」
という一人の人として初めて認識してもらえたこと
すごくうれしかったんですよ。
毎日失敗を繰り返して、たくさん叱られて、たくさん泣いて。
今までの雑用がどれだけ楽だったか。人と関わり、責任を持つことの大変さを思い知った。
秘書になってからずっと憂鬱で、何度逃げ出したいと思ったことか。
それでも、私を見込んでのこと。私しかできない役割。
そう言い聞かせては、自分にしかできないことを模索しました。
たくさん愛をもらって、たくさん笑って、たくさん喜んで。
“雨宮 辰哉”
その映画の中で、私はどれだけ輝けていますか。
人としての憧れ、上司としての憧れ、尊敬、感謝。
色々な感情があったはずなのに、いつからでしょうか。
自覚していた敬愛とは、まったく別の愛が芽生えていました。
私は雨宮さんの特別になりたかったみたいです。
それは人として、社会人として認められたい、なんてことじゃなくて、
そんな簡単な気持ちじゃなくて、
もっともっと複雑な
“恋”
と呼ばれるものでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます