第43話 南軍VS悪魔&ワキヤック
「ぶはは!なんだありゃ!ガンスじゃん!ブラックガンスじゃん!」
蘇った魔神に大爆笑のワキヤックとインド人を右にカルダモン。
西軍の救援に向かう二人はばったり先に西軍を襲う手はずの悪魔3体と会ってしまう。
それはまるで食パンを咥えた女子がイケメンとぶつかって恋が始まるが如く因果的に。
「な、何よこのモヒカンのガキ…!?カルダモン!?あんたなんでここに!」
「んっんー、一番会いたくない女に見つかってしまいました。コレだから女は…」
「こんの…100年ぶりに会ってそれは無いでしょうカルダモン!デイビアよッ!!」
デイビアと呼ばれたドスケベ褐色サキュバスに目に止まったワキヤックは一瞬で引き込まれる。
何故なら褐色、ショートカット、ツリ目、デカパイデカ尻、身体をほぼ隠さないエロ化身服装、これは鎌瀬犬彦の性癖まっしぐら。
更にサキュバスという、男なら誰しも一度は腹上死を夢見る存在。
まるで誰か自分の性癖を知ってる人物が造ったアバターのような完成度にワキヤックは海老反りで30m跳ね上がる!!
その衝撃で地面は陥没した。
「うっほおおおぉぉぉぉぉ……ーーーーーー……ぉぉぉぉぉおおおおおおん♡!!足を舐めさせてください女王様!!」
瞬間、ワキヤックはデイビアの足元、モヒカンが地面に突き刺さる。
「ひっ!?何よあんた?私まだ原初魔法してないんだけどなんで、こんな気持ち悪いモヒカンなの?」
「あぁ↑ぁあう↓んひひひっひぃん♡。生まれるべきでないクソモヒカンをお踏みください〜にひひひ」
「げ、げぇ…そこまで言ってない……」
あまりの圧にドン引きするデイビアを守るかの様に
顔に傷のある刀持ち漆黒イケメンと、神秘的な漆黒イケメンがワキヤックの前に割って入る。
「君ねぇ、人の分際でデイビア様に馴れ馴れしいよ?」
「デイビア様は魔神様に直接創られた3柱に1柱だぞ?」
ニ体のイケメン悪魔の姿は鎌瀬犬彦の世界ではホストと呼ばれる服装。
「ちっ、イケメンホストかよ!女に苦労しない顔しやがってオラぜってぇ許せねぇ……(言いがかり)」
「BOSS(ワキヤック)?んっんーとりあえず私が女、BOSSがイケメンホストと交戦するのはどうです?」
「はぁ?ふざけるんじゃねぇ!!SM倶楽部で磨かれた目隠しハイハイを—――」
「BOSS?んー、我々は何しに来ました?」
「……救援です」
「BOSSは何しにデイビアと交戦がしたいのですか?」
「SMプレイです……」
「それは救援とは…んっんー、言えません(圧)」
「あい、しゅいませぇん……」
「何をベラベラ喋ってやがる!アモン!」
「任せろサモン」
どうやら神秘的イケメンがアモン。侍風褐色イケメンがサモンと言うらしい。
アモンがメリケンサックで、サモンが日本刀らしき漆黒の業物でワキヤックに襲いかかる。
が―――
ガキン!
【魔装】に包まれたワキヤックの肌を通す事はない。
「俺はこの世で最も嫌いな存在がいる…」
カッと見開くワキヤック!
「SM嬢を堕とすイケメンホストだ!!俺の推し嬢を風俗堕ちさせた罪を償え(言いがかり)!!」
ニ体のイケメン悪魔の髪を鷲掴みし、南軍方面へ放り投げる。
「すぐ片付けて戻るからな!それまでデイビア女王様は預けたぞカルダモン!」
「んっんー。」
ワキヤックは彼方へ跳躍し飛んでいった。
その場に残ったのはデイビアとカルダモン。
「何処かに消えたと思ったら、あんなへんてこ坊やと一緒に居たなんてねカルダモン。魔神様から直々に創られた私とディアブロとあんたの3体。仲はいいほうだと思ったけど、魔神様への裏切りは正直許せないわね?」
「んっんー。メスはすぐ感情的になるから嫌いですね〜。私を説得したければディアちゃんを連れてきなさいな。そもそも私の主は今も昔もあのお方のみ。そしてその御方から直々にお前とディアちゃんは救うようにと命令をお受けしたんだよ、んー?」
「な、何を?ようやく王都に
「ふぅ〜〜、あんな知性の無い巨大な肉塊が偉大な主様なわけ無いでしょう?」
「―――アンタさぁ、私達の気持ち踏みつけて本当生意気だね?躾けがなってないわ〜(ギロッ)」
「ほ〜んっんぅ(イラァ)。やるか?この雌豚が…」
――― 一方その頃南軍 ―――
「オラオラオラ!!なんだい?キメラか何か知らんが軟弱だねぇ!!ガーハッハ!!」
南の辺境のアマゾネス領主ダルク・サウスは巨大な大斧をぶん回し、『バイオキマイラ』を切断し前進し続ける。
「お母様!?前に出すぎです!【エクスプロード】!」
娘のジャンヌによる上級火魔法【エクスプロード】。
半径50m程の大爆発を起こす魔法。
『バイオキマイラ』達は吹き飛ぶ。
「ぐももーーん!!」
3mのクソデカモグラがジャンヌの足元から唐突に出現。
「危ない!」
赤石の騎士、護衛のエレナがジャンヌを庇う。
エレナが【赤石の加護】により剣の色がマグマの様に変わり、灼熱を纏う。
「【赤石の加護〈灼熱剣〉】」
クソデカモグラこと、S級魔獣『ウルトラドリュー』はエレナの一閃を避けきれず腹部を真っ二つ。
切った瞬間に焼かれるので再生も出来ず、そのまま動かなくなる。
「流石、次代の輝石で一番と言われるエレナね!」
「お戯れを、私などワキヤック様に比べれば―――」
「ワキヤック?おお!異次元のモヒカンとかランスロットが言っておったな〜。私も一回会ってみたいもんだ」
「ウフフ、とっても面白い方よ。モヒカンで筋肉ムキムキで男らしくて突拍子もない事を突然しだすのよ!」
ふと何かに気付いたダルク辺境伯は上空を見る。
「……んー、そのワキヤックってやつはモヒカンでムキムキで10歳くらいの割にやけに精悍な顔つきの男か?」
「えぇ、…!まさか!?」
何かに感づいたジャンヌが上空を見つめると―――漆黒イケメンと一緒にワキヤックがこちらに向かって落ちてきた。
ドォオオオオン!
着地(?)の衝撃で地面が湧き上がるのもお構い無しに思い切りイケメンに連打を浴びせるワキヤック。
「ホラホラホラホラ!どうしたよ!悪魔だろ!根性見せろやええ!?」
と、そこに生き残っていた5匹の『バイオキマイラ』とS級魔獣たち(フリーズドラゴン、ベヘモス、バイコーンなど)が何かに導かれる様にワキヤックに狙いを定める。
「我は悪魔サモン!スキル【ビーストマスター】はどんな獣でも服従する!!」
「チェストォ!!」
空手の真髄にして原点、〈正拳突き〉。
引手と腰の回転により、シーソー動きのような軌道で、師範クラスとなれば何百発同じ制度で高威力の一撃を繰り出すことが出来る。
すなわち、悪魔二人以外はまばたきの間に肉片が飛び散った。
まさに瞬殺。
「ほ、ほげぇ〜〜」
「サモン!?上の空になってる場合じゃない!?ええい悪魔アモンの【
漆黒の炎を纏った刀を振り下ろす!
「ぬんっ!」
しかし、一点集中型の人差し指【魔装】で難なく止める。
指を曲げ刀をへし折ると、
「もう一回見たわボケがぁ!!」
以前、武術大会で勇者キーリ・ホアンロンが使っていたスキル。
顔面に私念マシマシの孤拳を顎に突き刺した後に、裏手刀を側頭部に当てる。
アモンは当たった側頭部の逆側の鼻の穴から血が流れると、そのまま膝をつく。
サモンがアモンを担いで距離を取ると二人して魔法を唱え始める。
「「メコミノヲテベステッモヲンゲンケノンジマ ヨタナカノクコッシリレマウリヨミウノンゲジ―――【ブラックホール】」」
サモンとアモンの二重の原初魔法によってワキヤックの前に現れた重力体(漆黒玉約5m)はやがて大地も空気も人も飲み込む引力を解き放つ。
「なんだいありゃあ、人が歯向かっていいレベルじゃないね」
流石のアマゾネスのダルクも弱音を吐くその魔力の塊に弱音を吐いた。
ジャンヌもエレナを死を受け入れるほどの圧倒的な力を放つ【ブラックホール】。
今南軍数百人が数秒で飲み込まれてしまった。
「「【ブラックホール】が発動した時点で我らの勝利―――」」
ガシッ!
「「ガシッ!?」」
【魔装】で超強化したワキヤックは【ブラックホール】を掴むと…
「ノォォォオオゴルアァアアアア―――デリャア!!」
千切った。
そして【ブラックホール】は消失した。
「なぁアモン、」
「なんだサモン?」
「逃げよっか?」
「逃げるか!」
「逃がすかぁホスト!!」
「「うぁあああああ!!ホストってなんだよぉぉおおお!!!!」」
戦意喪失した悪魔コンビを貫手で二突き。
無意識に庇っていたアモンの腹部やや上とサモンの腹部やや下をきちっと捕らえた。
そこにはやはりと言うか魔石があり、2柱は黒い蒸気になって消えた。
「おいおい、坊主…お前マジか!」
背中をバチーンとひっぱたかれたワキヤックが振り返るとメスゴリラがいた。
「(ア、アマゾネス!?良いっすね〜!)は、始めましてダルク辺境伯、救援に参りましたワキヤック・カマセーと申します」
隣にジャンヌが仲良しげに接していたのを横目にしてワキヤックはこのメスゴリラが辺境伯であることを察する。
ちなみにワキヤックの性癖ではアマゾネスはストライクゾーン高めにがっつり入っている。
「おいおい、そんなに熱く見つめられたら童貞を食い散らかしてやるぞ坊主!ガハハハ!」
「マジっすか!ありがとやす!おなしゃす!!」
「ぅあーう?冗談だぞ?アタイはコレでも人妻だしもうオバサンだからな?」 「ボソッ(そこがいいやん)」
「ひそひそひそ(お母様が押されてるわ!やっぱりワキヤックくんって面白いわね〜エレナもそう思うでしょ?)」
「ひそひそひそ(ワキヤック様の好みがああいうのならば私ももっと筋肉つけますよジャンヌ様!)」
戦場が一段落したとき、ワキヤックは西軍方面で今まで感じたことのない凶悪な魔力の波動を先程まで居た西軍方面から伝わってきた。
「お!?これはコウメちゃんとジャッジじゃちょいキツイか?すんませんダルク辺境伯、俺ちょっと西軍に戻ります」
「お、おういいよ?」
「じゃ―――」
刹那、空間が湾曲する魔力を放つワキヤックは音速を超える速度で西軍へ向かって帰ってしまった。
先程の魔族との戦いが全力ではなかったようだ。
「あ、嵐のような男の子だったが、アタシャ苦手だね…」
困惑するダルクの姿を見てジャンヌとエレナはクスクスと笑う。
「この魔力の波動―――遂にご対面だな、モレクさんよぉ!!」
ワキヤックは全力疾走の途中で因縁の相手の名をこぼす。
ワキヤックはモレクがもうこの世に居ないことを知らない…。
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