第5話   俺達の足跡

徹はあれから本を読み続けていたが、次第に眠りに就いていた。

トキヤは「あれ?俊哉は?」とルテーラに声を掛けるとオオカミがワオーンと遠吠えをしていた。

ルテーラは「何処に居るって、俊哉はテントの外で寝て居るぞ」と指を差した所にトキヤは目をやった。

トキヤが「旅の疲れで寝ていたのか?俺も疲れたから、土管を用意したから其処でお風呂に入って身体を清めよう」と言って、土管の中でお風呂を焚いて、身体を洗って出た。トキヤは「外は寒いな」と少し小声で呟いていた。

トキヤは俊哉を「おい、こんな所で寝たら風邪ひくから、テントで寝よう」と起こしてテントの中でルテーラ、俊哉、トキヤも寝ていた。

すると何処からか「ズドン、ズドン」と大きな音でテントの後ろに迫って来ていた。

それはゲドム達が三匹も迫って来ていた。

トキヤは「俺らは寝て居るのに、もう腹立った。眠りを妨げるとは許さん」と言って、足を一歩踏み出した。

トキヤは「我の頭上に、魔法とその力を示せ、バーテンダーグ」と言って召喚呪文を唱えた。

バーテンダーグにトキヤが「炎玉を放て」と言うと、大きな鳥のバーテンダーグが炎をボオオと吹き始めた。

ゲドムは、「うわぁ、あつい」と言って倒れて三匹は、あっという間に火傷をして倒れて行った。

トキヤは「やったー、これで連携プレー成立だな」と拳を上にあげた。

それから朝になり、鳥が元気よく泣いていた。

トキヤは「あぁ~、眠かった」とあくびを一つしながら、川で顔を洗った。

俊哉とルテーラもその後、川で顔を洗いタオルで拭いた。

これから旅は佳境に入って行こうとして居た事をルテーラしか知らなかった。

ルテーラが「この先ボスが居るから、すばしっこく強い奴だ。気を付けろ」とトキヤに声を掛けた。

トキヤが「大丈夫だって」と陽気な顔をして何も知らない事を良い事に駆けて行った。

そこにはラドレスと言う魔物が立ち塞がっていた。

ラドレスが「お、お前は誰だ?俺様にぶつかるとは良い度胸だ」とトキヤを見て今にも襲い掛かろうとしていた。

ルテーラが「トキヤ危ない。僕が相手だ」とトキヤをかばう様にして言った。ルテーラが「幻影の炎」と剣を持って、炎を纏い剣でラドレスの胸を突き抜けた。

魔物のラドレスが「うわぁー」と叫びながら、その場に倒れて死んだ。

其処には今まで食べた人が生きて戻って来ていた。

ルテーラはレベル13まで上げて行き、剣を日々磨いて戦って居るからかキラキラと剣が光っていた。

そしてトキヤ達は、また旅を続けていく事で誰にも見えない絆をつくって行くのだった。

徹は本を読んでいなかったが、背伸びをして起きた。

徹はその後、本を読み終わって誰かにこの「アルタイル 異世界の名のもとに」を勧めたいと思う様になっていた。

次に誰がこの本を読むことになるのだろうか?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る