第4話   信じる力

渚が「徹、お前次の巻を借りたのか?僕は、一巻前の本を読んでいるよ。」と徹に話をした。

徹が「あぁ、俺はこの本を借りて良かったと思って居る。この本と出会ってからは、人生が180度変わって見えて楽しいよ」と笑顔で話をして居た。

アルタイルと言う国は、季節ごとのイベントが行われていた。

トキヤが「この国は冬にはクリスマスでスペシャルイベントと料理が振舞われて、夏にはオーシャンイベントが海で行われて海鮮料理が食べられる。春はサクラフェスタが行われて綺麗な桜色の饅頭(まんじゅう)が食べられる。」とチラシのパンフレットを読んでいた。

秋は収穫の季節で栗や柿のデザートが食べられるというチラシを見てトキヤが「いいなぁ、俺も食べたいよ」と上を見上げて想像を膨らましていた。

俊哉が「またトキヤが何か考えているぞ?全く懲り(こり)ないね」と笑って話をして居た。

ルテーラが「まぁまぁ、僕もこんなに食事が出るなら一度でも良いから食べてみたいよ」と笑ってトキヤの話に混ざった。

俊哉が「ルテーラが、そう言うなら俺は止めないけど、俺は甘いのはごめんだね」と話をして居た。

ルテーラが「俊哉もいつまでも意地っ張りだね、食べたいものがあるでしょ?」とさりげなく俊哉に聞いた。

俊哉が「俺だったら夏の海鮮料理が食べたいな、プリプリのエビが美味しいだろう?」と目を輝かせて話をして居た。

トキヤが「解ってないな。俺は甘い物を食べるとその時の季節を感じられるから旨いと思う」と話をして居た。

俊哉が「そうか、俺にはわからない旨さだな」と話し掛けた。

そんな話をして居ると「何だか旨そうな匂いがするな。」とゲドムが三匹現れた。

魔物のゲドムが「おお、こんな所に美味しそうな人間が三匹居るぞ」と手を出すと、ルテーラが「幻影の炎」と言って、剣が炎に包まれて切り刻んでいった。

ゲドムが「うわあー、やられた」と言って、その場に倒れて死んだ。もう一匹のゲドムが「何、貴様、生意気だぞ。喰われるなら大人しくしろ」と手を出すと、俊哉が「氷山剣」と唱えると、氷の矢がゲドムに突き刺さり死んだ。

もう一匹のゲドムは「うわぁ、覚えていろよ」と言って森の奥へと逃げて行った。

トキヤが「二人共、大丈夫か?ケガはないか?」と俊哉とルテーラを見て心配していた。

俊哉が「あぁ、大丈夫だ。トキヤありがとう」とお礼を言って、ルテーラも「トキヤありがとう、僕も大丈夫だ」と話をして居た。

トキヤは今回の事で、人を信じ、人と協力をして連携していく力強さと信じる力(気持ち)を持つ事が大切なのだと気づいた。

本を読み終えた徹は、信じる気持ちは何にも勝る事は無いと思える瞬間だった。

隣に居た渚は居らず、開いた本だけが強い風に吹かれて閉じられていた。

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