第3話 勇気
渚が「何だよ、図書館で借りた本を返したと思ったら、本は返して無かったのかよ」と嫌な顔をして返事をした。
徹は「だから、また俺は本を借りたの。こんなに楽しい本なのに返す訳が無いだろう」と返事に答えた。
渚が「徹の馬鹿野郎。僕だって、この本を読みたくて何日も図書館に通い続けて本を借りて来たのに、徹が返してくれないから結局読めないままだ」と悔しそうにしていた。
徹は本を開いてトキヤが「勇気ってなんだ?俺は今まで戦って来た事が無いから解らない」と少しショボンとしていた。
トキヤの隣で俊哉が「それはやっぱり強くなりたいって心の奥底から一番に思う時じゃないのかと俺は思う」とトキヤの手を握っていた。トキヤが「ありがとう。俊哉、俺もそうやって誰か(物)を守れるものが欲しい」と小声で話をして居た。俊哉が「それはお前が考える事だ、この物語はお前が主人公だから数をこなしてゲドムを倒すしかないと思うぞ」と話をトキヤにして、俊哉は遠くへと行ってしまった。
トキヤは「勇者を辞めますって言っても、俺の使命は敵を倒して強くなる事なのに俺としたことが情けない」と今までの自分の姿に反省していた。
ルテーラが「トキヤ、僕も頑張るからトキヤも頑張って欲しい」と心の中で影から応援していた。トキヤの前に魔物のゲドムが現れた。
トキヤが「ゲドム、お前は俺が倒す」と言ってゲドムを睨んだ。
ゲドムが「お前に俺が倒せるかな?」とバカにしたような言い方をして、トキヤを挑発した。
ルテーラが「トキヤが危ない。今すぐ助けに行かないと」と木の陰で見ていたルテーラに俊哉が「待て、此処はトキヤに任せてみよう」と引き留めた。
トキヤが「我の頭上に、魔法とその力を示せ。バーテンダーグ」と唱えると、召喚獣のバーテンダーグが現れた。
バーテンダーグが「ひいいいん」と泣きながら、羽をばたつかせて、トキヤが「必殺、玉炎(ぎょくえん)を放て」と言うとボオオと火を放って、ゲドムを倒した。
トキヤがゲドムを倒し、今この瞬間何かを守るとは、仲間を強い力(心)を持って助ける事なのだと知った。
徹が本を読み終えた瞬間、子供の頃に忘れていた勇気、誰かを守る力、心の強さを思い出させていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます