第8話   報われない

ユズキは「あ、やばい。落ちた」と荷物が階段から落ちた。

マサヒロが「あ、これお前の?」と荷物を拾い、ユズキに渡した。

ユズキが「あ、ありがとう」と初めて異性に優しくされたので、顔を赤らめていた。

異性の唇を至近距離で見たので、ユズキは今でも胸がドキドキしていた。

そこに友達のカナコが来て「あぁ、あの子はマサヒロだよ」と、ユズキに名前を教えた。

ユズキが「マサヒロ?まさか、私の知らない男子が、私のカバンを届ける何て初めてだ」とその場で目眩がしそうだった。

カナコが「大丈夫?とにかく、水飲んで」と水道で水を汲むと、ユズキが「ぷはー。うまい。もう一杯」と青汁のCM風に水を飲んだ。

カナコが「あははは。ユズキったら、それ青汁のCMでしょう?そんな飲み方をして居たら、誰かに渋いって言われるよ」とユズキを見て笑いが止まらなかった。

ユリも来て「さっきのユズキの水の飲み方は無いよね?」とカナコと一緒に笑い合って居た。

ユズキが図書館に来て「空に駆ける」と言う題名に手を掛けようとした時、マサヒロが「あ、ごめんなさい」と2人で本を取り合う形になり謝っていた。

ユズキが「まさか、マサヒロ君だよね?」と声を掛けた。

マサヒロが「君は?」と声を掛けると、ユズキが「私は、ユズキだよ。マサヒロ君の名前はカナコから聞いたの」とマサヒロに伝えた。

マサヒロが「ああ、さっきのカバンを階段から落とした人かぁ」と今になって思い出していた。

ユズキが「そうだね。私は、荷物を咄嗟に落としたのは疲れて居たのもあるな」とマサヒロに話し掛けた。

マサヒロが「そういえば、この図書館を知っているのは俺だけかと思って居たよ。ユズキちゃんも知っていたのか」と初めて女性と話すのか緊張をして居る様だった。

ユズキが「マサヒロ君は、この図書館はずっと通っているの?」と声を掛けると、マサヒロが「そうだよ。何時も暇があるとこっちに来て居るよ」と話して居た矢先に、「マサヒロ」と名前を呼んだのは、ユキナだった。

マサヒロが「俺の同級生で幼馴染のユキナだよ。よろしく」とユズキに紹介をして居た。

ユキナが「ユズキ?この子と話して居たの?」と何か煙たがっているような様子を見せた。

マサヒロにユキナが「もう帰ろう。じゃ、失礼」と笑いもせず去って行ってしまった。

ユズキは「彼女居たのか」とちょっと残念そうにしていた。

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