「祥子、お前を消して、俺はスターになる」




啓一は祥子の見てる前で、藁人形の糸を引いた。




-怨み、聞き届けたり-




どこらからか不思議な声が響く。


そして祥子が聞いた最後の啓一の声は、この世のものとは思えない悪魔の笑い声だった。




公園にいたはずの祥子は、真っ暗な世界にいた。




「どこ?啓一?誰かぁぁ」




祥子の必死な叫びは、暗闇にかき消される。




「だから言っただろ。いつも馬鹿をみるのは女だって」




「アンナ……さん?」




暗闇の中現れたのは、美しい着物姿のアンナだった。


いつものアンナとはまったく雰囲気の違う妖艶な姿だった。




「あんたは身勝手な男の怨みをかってしまったんだよ」




どこか悲しげなアンナ。


地獄通信によって地獄に流される者は、恐怖を与えられる事が多い。




しかし、アンナは本来の骨女として祥子の前に現れても、優しいままだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る