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「おう、受かっちまった」
啓一の静かな声だった。
祥子は一瞬状況を把握出来なかった。
「えっ?どう言う事?」
祥子は啓一に聞き返した。
「だから、これから最終選考だよ」
祥子はやっと状況を把握した。
携帯を放り投げて、部屋で大声を出して喜んだ。
今までの緊張が一気に開放された。
「祥子?おおい。祥子?」
慌てて祥子は携帯を手に取った。
「ごめんごめん。良かったね。頑張ってね」
祥子は自分の夢も叶ったような気になっていた。
アンナからのアドバイスもすっかり忘れていた。
そこから啓一の生活も変わっていく。
新学期も始まる頃だったが、テレビに出る事が話題になり、田舎の町の有名人になっていた。
最初は祥子も鼻が高かったが、また新しい孤独感が祥子を襲っていた。
早速啓一は最終選考の合宿に参加し、ほとんど連絡が取れなくなった。
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