この糸を解けば、怨みは晴らせる。


すぐにでも糸を解こうとするが、そこでもう一度躊躇する。




この糸を解けば、自分も地獄に落ちる事になる。


なぜあんな奴の為に。




怨む相手を地獄少女が地獄に落としてくれる。


その都市伝説は本当だった。




しかし、噂話には続きがあるもの。


依頼者は知らなかった、自分も代償を払わなければいけない事を。




そんなに都合良くはいかない。


それでも怨みを晴らしたい。




許せない。


怒り。




さまざまな感情が支配する。





そして……糸を解く。





-怨み、聞き届けたり-





またひとつ、地獄通信によって怨みが地獄に流される。


怨みは無数に存在し、尽きる事を知らない。




どれだけの怨みを地獄に流しても、怨みは今日もどこかで生まれ続ける。


そして刻まれる、地獄流しの証。




怨みを晴らした者は、じっとその胸に刻まれた証を見つめ、今日を生きていく。

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