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「お母さん、相田さんは学校始まって以来の天才って言われてるんだよ」




「そんな……」




好美は、今はその言葉を聞きたくなかった


何より、その地位を奪ったのは紛れも無い目の前にいる安藤なのだから。




しかし、嬉しそうに母親に話す安藤に、好美は何も言えなかった。




「サオリ、せっかく友達と会ったなら、少し話してきなさい」




「私はその……」




好美は、気まずくて仕方がなかった。




「うん、相田さん、屋上に行かない?」




安藤は好美を屋上に案内した。


屋上に到着した二人は、設置されたベンチに座った。




「いきなりごめんなさい。相田さん」




「いえ……私こそ」




今までほとんど話した事の無い二人。


少しだけ気まずい空気が流れる。




その空気を破ったのは安藤だった。




「相田さん、私はずっと相田さんと話がしたかったんだ」




「私と?」




好美は不思議そうに安藤の顔を眺めていた。

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