9
「いつもと一緒。問題ないよ」
「そうか……」
そこに労いの言葉は無い。
テストも終わり、この日だけは、好美も少しだけ勉強の手を休める。
早めの就寝。
後はテストの結果発表を待つだけ。
自己採点でもほとんどミスは無かった。
安堵の表情を浮かべながら好美は眠りについた。
そしてテスト結果発表の日。
特進クラスの前の廊下には、結果が張り出されている。
朝から生徒が集まっている。
好美はいつものように、冷静に一枚目の紙の前に立つ。
いつも通りにそこにあるはずの名前。
しかし、好美の視線の先には、あるはずの名前が無かった。
1位 安藤サオリ
思わず、好美は通学バックを地面に落としてしまった。
自分が1位ではない事はもちろん、自分の上に立っている名前はあるはずの無い名前だった。
2位 相田好美
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます