転校生が来て、少しだけ浮き足立っているだけ、すぐにこんな状況は落ち着く。


好美はそう思いながら、自分の勉強に集中していた。




そして試験当日。


好美の準備は、いつものように万端だった。




テスト用紙が配られ、テスト開始。


好美はいつものように上から順に回答を書いていく。




半分が過ぎた頃、好美はふと視線を前に向ける。


その目に飛び込んできたのは、安藤の姿だった。




すでにテストを終えたのか、それとも諦めたのか。


腕枕で寝ていた。




-やっぱり何かの間違いでこのクラスに来たんだ-




好美はまた、黙々とテストに集中した。


その後の教科も、安藤は時間を半分以上残してお決まりの睡眠に入っていた。




好美は、その姿を見て揺るがない自分の地位を確信した。


またテスト結果が出れば自分が1位。




その考えに迷いは無かった。


テストも終わり、確かな自信と共に好美は帰宅した。




家に帰ると、すでに父親も帰宅していた。




「好美、期末はどうだった?」




新聞を見ながら、父親が好美に声をかける。

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