いつもの時間。


國本の後ろには、一人の女の子が立っていた。




その容姿を見て、クラスの全員が驚いていた。


短いスカートに、明るい茶髪。




化粧は派手ではないが、うっすらとしている。


特進の生徒とは明らかにかけ離れていた。




奨学金にいきなりの特進入り。


その噂が先行していたせいか、全員が驚きを隠せずにいた。




ざわめく教室を黙らせるように、國本が朝の挨拶をする。




「今日は最初に、新しい仲間を紹介する。安藤、自己紹介しなさい」




國本に促され、安藤と呼ばれた生徒は、うつむいていた顔をあげた。


ゆっくりと教室を見渡して、挨拶をはじめた。




「はじめまして、安藤サオリです。早くクラスに溶け込んで、みんなと仲良くしたいと思っているので、よろしくお願いします」




はっきりとした挨拶。


容姿もそうだが、その強烈な存在感は、クラスに衝撃を与えた。




「よし、安藤。そこの空いている席に座りなさい」




金曜日に用意されていた安藤の席。


真ん中より少し後ろの席。

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