「生徒会はちょっと……」




好美はすぐに困惑した顔をする。




「まぁまだ少し先の話なんだが、相田なら誰も文句を言わないだろうと思ってな」




國本も、それ以上は無理に勧める事はなかった。




「少し、考えておきます」




好美はすでに断るつもりだったが、なんとなくごまかすように返事をした。




「まぁ頼んだ。そう言えば相田、来週転校生が来るぞ」




立ち上がった好美に、國本が転校生の話をした。




「特進のクラスにですか?」




「そうだ。なんでも奨学金ももらって、かなり優秀な子らしい。相田のライバルになるかもしれないな」





「そうですか。では失礼します」




好美は素っ気無い返事を返して、職員室を後にした。




「相田には関係ないか」




國本は苦笑いをしながら、頭をかいた。

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