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それは、それだけ特進クラスの中でもずば抜けている事を意味している。
好美にとっては、クラスメイトはライバルでも無い。
ただのクラスメイトだ。
「ありがとう相田さん、ここがなかなか解けなくって」
説明を聞いた晶は、満足そうに自分の席に戻った。
好美はこうして教えて欲しいと言われれば素直にそれに応じる。
しかし、それは親切からではなく、ライバルにもならない生徒に教える事で、自分の中に優越感を感じていたからだ。
そんな好美の心は誰も気がつかず、みんな慕っていた。
このクラスの中では、成績こそがステイタスになる。
容姿や性格、人気者の常識は通じない。
憧れにも似た別格の位置にいる好美。
好美自身も今の状況に満足していた。
「おはよう、ホームルーム始めるぞ」
チャイムと同時に、担任の國本シンが入ってくる。
普通なら、急いで席に座る生徒がいたりもするが、このクラスはすでに全員が席についている。
「全員いるな、期末テストまではもう少しだ、気を引き締めてな」
國本は少し鋭い視線で、生徒達の顔を見る。
多少和やかだったクラスも、一気に緊張が高まる。
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