第45話



「俺と美夜も、病院に向かってる最中だ。」


「………、そう。」


「だから朔、お前も直ぐに病院に来なさい。」


「っっ、分かった。」




ぷつりと、切れた通話。







携帯電話を、呆然と見つめる。












………………莉茉さんが、刺された?







だって、笑ってたじゃないか。






あんなに、綺麗に。








ついさっきまで、兄貴と2人で、楽しそうに笑い合っていたのに。





「っっ、何で、だよっ…。」




突然、もたらされたその事実に、俺は打ち砕かれた感覚を覚えた。

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