第44話



「………病院?」




何で、だよ。







怪訝に眉をしかめたけど、次の父さんの言葉に、俺は目を見開く事になる。




「莉茉さんが刺されて、病院に運ばれた。」


「………っっ、莉茉さんが?」




息を飲む。






どくどくと鳴る心音を落ち着かせる為に、神無を抱き締める自分の腕に力を込めた。








ーーーーなぁ、嘘、だろ?







誰か、冗談だと言ってくれ。




「朔、大丈夫か?」


「………あぁ。」




何とか、父さんの問いには頷けたけど。






動揺は隠せなかった。

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