第46話


「っっ、あ、に、き…。」




ーーーーなら、兄貴は?







俺以上に、その事実に打ちのめされているはずだ。








何よりも大切な莉茉さんを守れなかったと、一番、自分の事を責める。





「………朔くん?」


「っっ、」




そっと、手に触れる温もり。







それにはっと、視線を向ければ、心配そうに俺を見上げる神無の瞳とかち合う。





「病院って、何?」



「………。」



「ねぇ、莉茉がどうかしたの?」



「っっ、神無っ…。」




腕の中の、その温もりにすがり付く。

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