第32話



「ねぇ、朔くん?」


「ん?」


「私は、大丈夫だから、気にしないで?」




目を閉じる。







私の境遇を知っている、朔くん。







だからこそ、こうやって部屋に来て、1人にならないように泊まっていってくれる。









………………実家を出た、私の“家”に。




「今の私には、朔くんがいてくれるもの。」




怖いものは、ない。





何1つ。







………………朔くんを、失う以外は。




「だから、私は平気なの。」




それは、強がりなんなじゃない。







寂しくないよ。





私は、大丈夫。









1人の夜に怯え。






ーーーーー孤独に泣く事は、もう、ないのだから。

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