第33話




ざあざあと、雨が降る。







まるで、子守唄。










静かな室内で、朔くんの胸から聞こえる心音と、雨の降る音に、うとうとと、微睡む。







この、優しい腕の中が、今の私の安らげる場所。




「………神無?」


「うん?」


「俺も、雨は嫌いじゃないよ。」


「………どうして?」




凭れていた頭を持ち上げて、朔くんの顔を仰ぎ見る。







そんな私を、優しい眼差しが見下ろしていた。

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