第21話




「………、あれは、執着だな。」




最後に見せた、莉茉ちゃんへと向けられる、狂気的なまでの、執着心。






己の家族にさえ、無感情だった水瀬茉莉の中で唯一、その感情を露にする事が出来るのは、たった1人。








………………莉茉ちゃんだけ、なのだから。




「チッ、厄介だな。」




あの妹が、莉茉ちゃんに対して、何をしてくるのかが、全く分からない。





予想が出来ないんだ。







早く、莉茉ちゃんの安全の為にも、こちらは何かしらの対処を講じなくては。







一先ずは、暁に水瀬茉莉の行方を見失った事を、報告しなくちゃ、だな…。






………………はぁ、気が重い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る