第13話



「今日、茉莉ちゃんは、1回、家に帰って来た?」




そんな恐怖に怯える私を、目を逸らす事なく、お母さんがじっと見下ろす。




「っっ、」




はっと、息を飲む。







………バレたの?





ばくばくと、煩いぐらいに心音が鳴る。






嫌な汗が、背中を伝った。




「………………っ、今日…?」




声が、震える。





喉も、カラカラに渇く。





ごくりと、唾をのみ込んだ。




「そう、帰って来たのは、茉莉ちゃん?」



「………っ、」




………………大丈夫。





私だとは、バレてはいない。






莉茉と違う服を着せてしか、双子を見分ける事が出来ないお母さんには。







まだ、大丈夫。






ーーーー悪魔が、私に囁いた。

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