第38話
「ユウの夢は看護婦か…まぁ、ユウなら体力もあるし優しいから、きっと向いてるよ」
シンはごまかすようにユウに話をふった。
「ありがとう。後は勉強かな。頑張らないと」
「そこは間違いなく問題だな」
2人して、橋の真ん中で大笑いした。
シンは、自分にとって夢ってなんなんだろうと自問した。
橋を後にするとき、シンはふと自分のこれまでを振り返った。
たしかに学校には行き始めたし、バンドもやっていて、毎日が充実している。
でも、なんとなくグレてみて、なんとなく流されていたあの頃と、自分は何か変わったのだろうか。
今でもただ、流されているだけじゃないだろうか?
ユウが話す夢の話が、シンには輝(かがや)いて見えた。
同時に、空っぽな自分がとても恥ずかしいような気がした。
シンは、ユウに負けないぐらいの夢を自分も探さなきゃいけないと思った。
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