第4話・夕夏の百合度が高まっていく……性的アンドロイド妄想百合女子高校生【リズボス・愛娜・アシモフ】登場

 数日間──夕夏の周囲に百合女は現れなかった、平穏な日々を過ごしている夕夏が帰宅後に部屋の中でくつろいでいると部屋のドアチャイムが鳴った。

「夕夏サマに、お届け物で~す」


 怪しみながら、ドアを開けると──そこに、スニーカーだけを履いた、裸の見知らぬ女子高校生が立っていた。

 月霞 ススキとは異なる、北欧系の顔立ちをしたハーフ女子高校生だった。

 夕夏は、見なかったコトにしてドアを閉める。

 直後にドアを激しく叩く音が聞こえてきた。

「夜に部屋のドアの前で裸の女子高校生が立っているんですよ! 部屋の中に入れてください! 通報されて困るのは、ご主人サマですよ! お届け物は、あたしですよぅ」


 ドアが開くと、裸の女子高校生は足元に置いてあったスポーツバッグを持って、夕夏の部屋の中に入った。

 部屋を見回している、北欧系の顔立ちをした不審な女子高校生に夕夏が言った。

「とにかく、服を着て……そのバッグの中に服と下着が入っているんでしょう」

「どうしてですか?」

「裸の女の子が、知らない女の部屋に立っていたら変でしょう……だいたい、百合女だとは察しはつくけれど……とにかく、服を着て」

「それが、ご主人サマの命令なら従いますが。ご主人サマ登録してもいいですか?」

「なんでもいいわよ、とにかく服を着ろ!」


 押しかけの露出少女は、バッグの中から取り出した紺色の競泳水着を着はじめた。

 驚く夕夏。

「ち、ちょっと待って。あなた下着は?」

「持ってきていません……この格好で歩いて着て、ご主人サマの部屋の前で脱衣をして裸になりました」


 軽くタメ息を漏らしながら、夕夏が北欧系ハーフの女子高校生に訊ねる。

「ふぅ、あなた誰?」

 女子高校生は、自分を『リズボス・愛娜あいな・アシモフ』と名乗ると、直立不動の姿勢で夕夏に言った。

「あたしは、超高性能で人間とまったく見分けがつかない【性的奉仕のアンドロイド】です……自分でも、人間ではないかと思ってしまいます」


 夕夏は(また、強烈な妄想百合女が現れた)と、思った。

「自分が人間か、機械なのか、分からなかったら梨絵の所で確認してもらったら」

「梨絵さんのところで、確認はしてもらいました」

「で、その結果は?」

「あまりにも、高性能で作られているので。梨絵さんでも、わからないそうです……自分でも人間と錯覚するほどのアンドロイドを作るなんて、この国の科学水準は驚きですね」

 急に愛娜が、水着の股間を押さえてモジモジしはじめた。


「すみません、ご主人サマ……トイレ貸してもらえませんか、冷却水の放出をしたくなりました」

 夕夏は普通に排尿したいと言えばいいのに、と思いながらトイレの場所を教える。

 数分後──トイレで水が流れる音が聞こえ、水着を脱いだ裸の愛娜がトイレから出てきた。

「なんで、また脱いで裸になったのよ!」

 愛娜がロボット調の口調で言った。

「ピピピ……放出直前に冷却水の少量の漏れを確認……リズボス・愛娜・アシモフはアンドロイドなので、裸でも恥ずかしくなく裸でも関係ありません……ピピピ」

「さっきまで、そんな話し方していなかったじゃないの……なに勝手に、水道水で股間部分を洗った水着を干しているの!」


 裸になった愛娜が言った。

「それでは、これからあたしのマスターとなった。夕夏サマの健康チェックと……夕夏サマの手による、アンドロイド愛娜の機能確認を行います……あたしとキスをして、大量の唾液をあたしの口の流し込んでください」

「イヤよ、服を貸してあげるから。さっさと部屋から出ていけ」


「そうですか……こんな手荒なマネはしたくはないのですが」

 そう言うと愛娜は、スポーツバックの中から、見覚えがある化粧水のスプレー容器を取り出した。

「そのスプレー容器は、ススキが持っていたのと同じモノ!」


「この〝女性を半催眠状態にする薬〟には、繰り返してスプレーしてもらいたくなる条件反射的な香りの常習性があるんですよ……ほぅら、顔にスプレーしてもらいたくなってきたでしょう」


 愛娜が言う通りに、夕夏はフラフラと、裸の愛娜に近づき顔にスプレーしてもらった。

「あぁぁぁ……いい香り」

 恍惚とした表情で、半催眠状態になった夕夏に愛娜が言った。

「それでは、ご主人サマ……口の中に唾液を溜めてから、あたしの口にキスをして唾液を流し込んでください」


 言われるままに、唾液を口の中に溜めた夕夏は、愛娜と抱き合ってキスをする。

「んんんッ……ご主人サマ、少しお疲れのようですね、後で肩を揉んであげまふ……んんんッ」


 キスをしながら夕夏は、愛娜の裸体を撫で回してアンドロイド体だと言い張る、愛娜の体を確認する。

 胸や背中やお尻を撫で回しながら、半催眠状態の夕夏は思った。

(あたし、自分の部屋で裸の女の子の体をキスしながら撫で回して……いったい、なにやっているの? これって百合レズ行為?)


 キスの終わった愛娜が言った。

「はぁ、どうですか? ご主人サマ、あたしの体は確認できましたか? たぶん、人工皮膚や人工筋肉に包まれた体の中には人工タンパク質で生成された人工臓器とか、金属製の部品が入っていると思うんですけれど」


 リズボス・愛娜・アシモフは、完全に自分を超高性能アンドロイドだと思い込んでいた。

「ピピピ……それでは、肩揉みのご奉仕モードに移ります、座ってください」

 夕夏が座ると、背後から愛娜が夕夏の肩を揉みはじめた。

「なかなか、上手じゃない肩揉み」

「いつも、母の肩を揉んでいるので」

「母親? アンドロイドに人間の母親がいるの?」


 愛娜が慌てて夕夏の質問を誤魔化す。

「は、母というのは……あたしを作った科学者のコトです……たぶん」

「ふ~ん、母親が科学者ねぇ」

 愛娜の手は肩に続けて、背後から夕夏の胸

を揉みはじめた、押しつけられた愛娜の乳房を背中に感じながら、焦る夕夏。

「なんで、胸まで揉んでいるのよ!」

「胸も凝っていると思いまして」

「余計なことしなくていいから帰って、服を貸してあげるから……これは、ご主人サマの命令よ」

「ピピピ……了解しました、今日はこれで失礼します……ピピピ」

 愛娜が帰っていくと、どっと疲れが出た夕夏はベットに倒れ込みダイブした。

「なんか、疲れた今日はもう寝る」

 夕夏は、そのまま眠りに落ちていった。


  ◇◇◇◇◇◇


 夢の中で夕夏は、聞き覚えがない女性の声を聞いた。

《夕夏さん、夕夏さん、宇宙からのメッセージが星美の頭の中に届きました。星美は世界平和のために夕夏さんと近いうちに百合的なエッチをしなければなりません》

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