刻む集中力

白鷺(楓賢)

本編

僕には、長時間集中する力がない。何かに取り組んでいると、すぐに他のことに気を取られ、気づけば思考が散らかってしまう。しかし、それでも短い時間なら集中することはできる。だから、僕はその短時間集中の力をどう活かすか、日々工夫しながら過ごしている。


仕事の場面では、僕の集中力が持続しないことを自覚しているので、少し変わった方法を取っている。例えば、作業を10分ごとに区切り、その間だけは全力で集中する。その後、1分ほどの短い休憩を取る。この1分間は、ただ深呼吸をしたり、少し体を伸ばしたりして、頭をリフレッシュさせる時間だ。これを繰り返すことで、長い時間集中が続かない自分でも、仕事をなんとか進めることができる。


通常、職場では決められたタイミングで休憩があるが、僕の場合はその休憩時間まで集中力が持たないことが多い。だから、自分なりに「時間を刻む」ようにして、こまめに休憩を挟むことで、集中力を回復させている。これにより、途中でダウンすることなく、作業を続けることができる。


しかし、この「刻む集中」でも、限界は存在する。どれだけ細かく刻んで調整しても、1日4時間の仕事が僕の限界だと感じている。4時間を過ぎると、どんなに刻んでも集中力が回復しなくなる。それ以上は、ただ疲れるだけで生産性が著しく下がる。だからこそ、自分の集中力の無さをどう補うかを考え、自分の限界を知り、それに合ったペースを見つけることが大切だ。


この方法を続ける中で、僕は「無理をしないこと」が何よりも重要だと感じている。無理をして長時間働いても、結局は効率が悪く、体も心も疲れてしまう。だから、短時間でも自分なりのペースで集中し、その集中が途切れたら休む。それが、僕にとって仕事を無理なく続けるための最善の方法だと感じている。


刻むようにして少しずつ進める。限られた集中力を上手にコントロールして、無理せず、自分らしいペースで働く。そんなシンプルで効率的なやり方を、僕はこれからも続けていこうと思っている。

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