世界で1番好きな人、世界で1番嫌いな奴

ぬるま湯

エピローグ的なやつ

「………………………」


電車に揺られながら、〇〇は学校を目指す。


止まっては進み、止まっては進みを繰り返すこの景色も見なれたものだ。窓が緑色を通り越して黒に思えるほど間近に迫る林を抜けたと思えば、空き家、人が住んでいるのか怪しいと思えるほどに変色した家、なぞの草、路駐されてる軽トラ、畑という、これといって特徴もないただの田舎である。インターネットで「田舎 風景」とかで画像検索すれば、すぐに出てきそうだ。



当然都会のような華やかな景色はない。そんな田舎なら利用者は少ないと思っている人もいるかもしれないが、そんなことは全くない。行きの上り電車には、ぽつんとある高校生がごった返す最寄り駅があったり、新幹線も止まるようなデカイ駅もあるため、人は結構いる方だ。



知り合いの話を聞く限り都会の満員電車はとんでもないらしいが。毎朝6時に起きて片道1時間かけて学校に行ってるなんて偉いと思わないか。



まぁそんな事はどうでもいいだろう。こんな僕の語りなんか誰も求めてないだろうからな。怒りのボルテージが限界突破して石を投げたくなる気持ちを一旦抑えていただきたい。


「まもなく…□□、お出口は左側です。」


ほら、目的地に着いた。なんて事ない学校でなんて事ない日常が始まる…はずだったんだ。「奴」に出会うまでは。




……ねぇ、着いたよ?いつまでそんなに黄昏てるの?まだ朝ですよ?

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