第14話

「…事実だって、分かってるから戸惑ってるんすよ」


「お前らマジで馬鹿だな。確かに2人が西側だったのは事実だ。でもな、お前らちゃんと聞いたのかよ」


「何を、ですか」


「決まってんだろ。裏切った理由」



裏切った理由なんて、聞いて何の意味があるんだ。


俺と同じことを思ったのか、今度は海都が口を開く。



「…そんなこと聞いて、どうするんだ」


「仮にも今まで一緒に過ごしてきた仲間だろ。お前らも、理由がわかんねぇから戸惑ってんじゃねぇの?へこむのは理由聞いてからでも遅くねぇだろーが」



達馬さんの言ってることも一理ある。


俺たちは結局、真実を知るのが怖くて逃げているだけ。

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