第13話

何度目かのため息をついたときだった。



「お前らいい加減にしろよ?これ以上店の空気悪くすんじゃねぇよ。客来なくなんだろ」



達馬さんがいつもの調子で言う。



「おい、そこは“いつもと変わんねぇだろ”って言うところじゃねぇのかよ」



…それ言うのいつも陸登だから。


それに今そんな気分じゃ…。



「はあ。お前らなあ、ため息ばっかついてても仕方ねぇだろ。事実なんだからよ」



“事実”。


その言葉が重りのようにのしかかってきた。

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