第16話

「ふーん…」



すごく怪訝そうな視線を向けられる。



「ほっほんとに何でもないってば!」


「………」



な、なんでこっち見たまま黙るの…。



「あの、達馬さん…?」


「…いいな」


「…何がですか」


「そっちのがいい」


「…そっち、ってどっちですか?」


「敬語じゃねぇ方がいいっつってんの。敬語やめろよ。別にタメでいい」


「…わ、わかった」



何がいいのか分からないままそう返事をすると、達馬さんは満足そうに笑った。

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