第21話
「すみません、少し席を外しますね」
何杯飲んだか分からない。
とにかく潮留社長が離してくれず、芹もずっと話すから、私が話す隙はなく、ただお酒を口に運んでいた。
当たり前に気持ち悪くなれば、トイレにも行きたくなる、逃げる口実が出来て足早に去った。
早くこうすればよかった。
転ばないように気をつけながら、私は小走りで逃げるように足を進めた。
芹置いてきたけど大丈夫かな…
でも今更戻るのも気が引ける。
それよりも…芹になんて言い訳しよう。
トイレに着くと中は誰もおらず、一人で考えるには好都合だった。
だけど良いアイデアは思いつくことなく、化粧台で頭を抱えた。
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