第10話

コツコツと小さな灯りを頼りに階段を降りた。


すぐに扉が現れて、鍵を取り出し、慣れたように開けた。


開いた瞬間に漂う鈍い鉄の匂い。


光も無く、足元しか見えないけど、多分目も当てられないほど殴ったんだろう。


「怖い?」


私の前に立つと顎を上げられ、自然に目が合ってしまう。


「素手で殴ったの?」


「うーん、素手も足も使ったけど、道具も使ったよ。そこに転がり落ちてるやつ」


鉄パイプや名前の分からない道具が落ちてる。


「…怪我、は?」


「ん?もちろん怪我して…「どこっ⁉︎」」

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