第4話

ネックレスを摘んで、首の後ろに回ってしまった指輪を見せた。


「落としちゃうかなって思って、ネックレスに通した」


「うん、良い子」


安心したように芹は笑うと、私をゆっくりと寝かせた。


フォーマルスーツのジャケットを脱いで、ハンガーに丁寧にかける。


私もシフォン素材のボレロを寝ながら脱いで、タイトなストラップレスドレス姿になった。


あー着替えなきゃ。その前にお風呂だ。


今日着るドレスってどんなのだろ。


高校のジャージが一番着やすいし、こういうお高い服は似合わないから最高に着たくない。


おでこに手を置いて溜め息を吐くと、また片方のベッドが沈んで、私は隙間から芹を見た。


「高校のジャージ着たいって顔してる」


口角を上げたままズバリ言い当ててくる芹に、私はお見事、と呟いた。

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