第8話 帰り道

『ねぇ、お母さん、そんなにカンタンに、先祖代々受け継がれてきた能力を渡しちゃっていいのかな』


『わたしだったらぜったいに人にあげたりしないわね』


『お母さんって、そういうところあるよね』


『そういうあなたもね』



ずぶぬれになりながら山を降りると、ぼんどりの様子に変化がありました。


「ぼんどり、しっかりして!」


「す、すみません、ボクは雨によわくて。すぐに体力がなくなってしまうのです。足手まといになって、ごめんなさい」


強い雨に打たれたせいか、ぼんどりはみるみる弱っていきます。


「足手まといなんかじゃないわ。わたし、ほんとは国の外に出るの怖かったの」


お姫さまの腕に抱かれたぼんどり。


どんどん弱っていき、このままだとしんでしまいます。


「あなたがそばにいてくれたから、わたしは寂しい思いをせずここまでこれたのよ。だから」


 するとぼんどりは、ハッとした顔になりました。

 




 













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