第6話 出会い
『ねぇ、お母さん、そろそろ教えてよ。どうしてお姫さまは、相手と自分の能力を交換できるの?』
『お姫さまの力はね、虹の国から代々受け継がれてきた能力なの。歌や踊りの才能もそうね。これは王族たちしか持っていない力なのよ』
『なるほど!それで王族たちを神格化させて大衆に特別感を与えるんだね!』
『あなた、また変な本読んだわね』
「こんなおっきな岩があっては、通れないわ。どうしましょう」
頂上へ続く一本の道を、大きな岩が塞いでいました。
お姫さまが困り果てていると、
「よぉ、お困りのようだな」
そこに現れたのは、イジワルそうな顔をしたアザラシでした。
「アンタのうわさは聞いてるぜ、蛇のダンナに会いたいんだろ?オレが頂上までの近道を教えてやるぜ」
するとぼんどりはアザラシのその口調に腹を立てます。
「おい、このお方を誰と思っている!そんなえらそうな口を聞いていいと、」
「ありがとう。ならさっさと、教えてもらえる?」
お姫さまは早口でアザラシを急かしています。
「まぁ、教えても良いけど条件がある。オレは生まれつき踊りがヘタなんだ。おまえのダンスの才能をくれたら、近道をおしえてやるぜ」
「お姫さま、こんなやつに才能をあげてはいけません!ボクらでがんばって近道を探しましょう」
「いいわよ。それで虹の国が助かるなら」
お姫さまはそういって、指をパチンと鳴らし、アザラシに自身のダンスの才能を差し出しました。
「いやほー!すごいぜ、体が軽い!よーし、約束は守るぜ、ついてきな!」
と言ってアザラシは、近くの茂みに隠された階段まで案内してくれました。
「まったく、なんてアザラシだ。けれどボクらだけではこんな隠し階段を見つけることはできませんでしたね」
「急ぎましょう」
その暗い階段を降り、長いまっすぐな通路を進んでいきます。
すると薄っすら光に照らされた階段が見えてきました。
階段を上り外に出ると、あたりはすっかり夜になっていました。
とうとう山の頂上へたどりついたのです。
そこでお姫さまとぼんどりが目にしたのは、
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