第5話 代償

『お母さん、もしかしてお姫さまの特別な力って?』


『お姫さまはね、指を鳴らすと自分の能力を相手と交換できるのよ』


『お姫さまは、どうしてそんな力を持っているの?』


『それはね』



「お、お姫さま!あ、足が!?」


「大丈夫よ。このくらい平気。全力では無理だけど、ちょっと走るくらいなら余裕よ。どうせすぐに治るわ」


ダチョウの足を治すために、お姫さまは自分の足を犠牲にしたので、片方の足が折れてしまっていたのです。


「このストッキング、片方じゃまだから脱いじゃお」


お姫さまは、履いていた白いストッキングを片方脱ぎ、その辺にポイと放り投げました。


「けどそんな足ではとても夜明けまでに帰るのはムリです!いまからボクが応援を呼んでくるので、ここで待っててください!」


「いやよ、一刻もはやく虹の国を救わないと!」


 ぼんどりの静止を振り切り、折れた足をかばいながらお姫さまは走りだしました。


 そしてなんとか山の頂上の一歩手前までやってきました。


 するとそこには、














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