第7話 爆弾

そういうや否や、デリンジャーは自動小銃をクレナイさん、いや自分に向けて打ち始めた


「チッ!!」


と、言うや、クレナイさんは自ら盾になってクナイと戦闘服でそれを受け止め叫ぶ


「貴様、弓はどうした?」


「こっちの世界は弓より強力な武器があるしなあ!!」


もう、ホームは大変な事になっていた

パニックになっている乗客

逃げ惑う人々


「な、なんなんですか!?」


「やつは弓使い(アーチャー)のデリンジャーです」

「なんで銃なんですか?」

「やつは使える物なら昔から何でも使う卑劣漢です!!」


「ほう、流石はクレナイ、最初の弾倉の弾は全て跳ね返したか?」


クレナイさんの息が上がっている


「戦闘服に加護があるとは聞いていたが、あいにく、俺の弾には魔法が込められている、いわゆる魔弾だ、何時まで持つかな?」


そういうや、デリンジャーは弾倉を変えて打ち始めた

クレナイさんはそれを弾くが明らかにダメージを受けている


「ハハハハ、次の弾倉で終わりだな?」


勝利を確信したデリンジャーは線路に降りて近づいてくる


「反撃する余力もないだろう、マスター共々死ね!!」


「馬鹿め!!」


クレナイさんがそういうや回送列車みたいなスピードで列車が

ホームに突っ込んできた、グエッって叫び声も聞こえない内に

デリンジャーがその列車にぶつかる


そして、そのまま、ホームから遠ざかる


ボーン!!


大爆発を起こした


ノリの軽い声が聞こえてくる


「いやー、上手く行ったっす、無人列車爆弾作戦は成功ですね」


そこには作業服を着た女性がいた、


「マスター、大丈夫っすか?」


ノリの軽い言葉にクレナイさんが注意する


「おい、もっと言葉を選べ」

「自分、こういうノリでしか話せませんので、スミマセンッス!!」

「まあいい、とにかく助かった、で、デリンジャーは?」


「念のためにありったけの爆薬と爆裂魔法を仕込んどいていた列車です、流石に

デリンジャーでも即死クラスっす!!」


「あ、あんたは?」


「コウって言うんす、漢字だと黄です、こっちの世界では中国系日本人って

なんか良く判らない設定になってるッス!!」


「なってるアルじゃないですか?」


「それは昭和の感覚ッスよ!!」


「紹介しましょう、コウ、爆破魔法の達人です」

「こっちの世界の爆弾も面白いっすね、いやー、最高に気持ちよかったッス!!」

「そうでもない、アレはどうする?」


クレナイが指さした方向、列車どころか高架橋まで吹っ飛んでいる

周り中、大騒動だ、野次馬も集まってきている


「無防備っすね、凶悪犯だと二度目の爆発がアルっす!!」


俺が呆れていると、クレナイさんのスマホがなった

「はい、スレイン様、マスターは無事です、えっ、テレビで中継されてる?」


暫し話し込んだ後、スマホを切り言い出した

「マスター、タクシーで本社に来るように言われました、コウ、お前も一緒に来い!!」

「ええっ、ワタシ、スレインさん苦手なんですが、、、」

「上司の命令だ、来い!!」




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