第4話

「あたしお昼行くけど」



「行ってきて。これ終わらせる」



「了解」





お昼に行くと声を掛けてきた同期に行ってらっしゃいと声を掛けながらパソコンと向き合う。




さっさと修正してあたしもお昼に行こうとキーボードを気持ち強めに叩いていく。



Enterに恨みでもあるのかというくらい強く押して、修正を2重チェックしてコピー機からプリントアウトして。





「チェックお願いします」



「こんだけ早く出来んなら最初からしろよ」



「…修正ミスないですよね?」



「ない。助かった」



「それは良かったです」





チェックを依頼すれば感謝する表情どころか逆に呆れた顔をされてこめかみが引くつくけど、これ以上お昼に遅れるわけにもいかないからぐっと堪えて愛想笑いを浮かべておく。




あたしってばちゃんと大人だと自分で自分を褒めながら失礼しますと足早に課長のデスクを離れた。




財布片手にそこまでお腹が空いてるわけでもないしとコンビニを目指して、パン1つとおやつのチョコレートだけを買って会社に戻る。




デスクに戻ればさっきまでなかったペットボトルのミルクティーが置いてあって。





「それとこれとは話が別だからね」





こんなんじゃ絆されないからなと口を曲げながらもミルクティーに罪はないので頂戴しておく。




あたしの好きな他よりちょっと甘さが控えめのメーカーのやつ。



覚えてたのかと感心したけど、まあ覚えてるだろうなと納得して頷いた。

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