第3話

「予定あったからまた今度誘って」



「いいけど。なに?その予定そんなに嫌なの?さっきより顔凄いんだけど」



「嫌なわけじゃないから気にしないで」



「あ、そう」





凄い顔と若干引かれながらもメッセージに分かったと一言返事を返して携帯をスーツのポケットに突っ込む。




定時で帰れるかなとタスクを確認していれば。





「安辺、この間言ってた企画書の修正資料出来てるか?」



「…あと1頁確認したら終わりです」



「それ2時間後の会議で至急必要になったから急げ」



「はあ?!」



「文句言っても必要な事に変わりねぇからさっさとやれ」



「…分かりました」



「頼むな」





期日まで余裕があって後回しにしていた修正を突然頼まれて、持っていたボツになった企画書を握り潰してしまう。




課長デスクに小指ぶつけて声も出ないくらい悶絶してくんないかな。





頼むから1日1回小指をぶつけて悶絶して欲しい。切実に。

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