5話〜黒い箱の生活の一筋の光

「久しぶり、覚えてる?」手を差し出してくれるその人はそう言う


やっぱり懐かしい、だけど…誰?


「あのっ…ごめんなさい」


「まぁそうだろうなっ、」


って悲しい顔をするその人


「じゃぁこの呼び方なら…みっちん」


蘇った…『みっちん』と木霊する映像が


「もしかして…うさくん?」


幼稚園から小学2年生まで、近所に住んでた、


田宮 羽咲たみや うさく


「思い出した!」ニコッて笑ってくれる、


昔のうさくんは、可愛くて女の子に間違われるくらいだった、


「めっちゃイケメンになって」


手を取って立ち上がる、そしてみんなが通っている廊下で…抱きしめられる


「えっ?」


「会いたかった好き!」


えっ?!


今…なんて言いました?


口が塞がれて…目の前も真っ暗ただ、洗濯洗剤の甘い香りだけがあたしの鼻を着く、


「え〜なに?なに?」


って騒いでいる、女の子の声


「しかも相手、霊感少女だよ!」


って言葉があたしの耳に入ってくる、


「あのっ、離した方がいいよ」


って女の子の声が聞こえてくる


「なんで?」お腹であたしに振動が伝わってくる


「なんでって…移るわよ、霊感が!」


霊感…移る?…なに?…その言いがかり


「俺…別にいいけど、」


するとあたしを離してくれて、あたしの両肩を持って


「あっ!そうだ、みっちゃん、職員室どこかなぁ?」


っ言われる、あたしは教えてあげる、


「案内する!」案内している途中…やっぱり見られる…


「あっ!そうだ!、友達作りたいなら、あたしに、あまりに話しかけない方がいいよ!」


って言う「なんで?」って聞かれるから、


「あたし不思議な力持ってるから…」


「そんなの…みっちん悪くないじゃん!」


そうだった…うさくんはそういう人だった!


「知らないから」


「俺は…みっちんがいればいいよ」


えっ?!キュンゼリフ吐いた?…履いたよね?


「あまり、あたし以外にそんなこと言わない方がいいよ…タダで顔がいいんだから、」


「いやっ!…みっちんだから、」


「えっ?何?」聞こえないフリをした、


それじゃぁまるで、あたしの事…好きみたいじゃん!


だから…スルーするあたしが好きなのは


後にも先にも優留だくなだから!


だけど…一筋の光が!この黒い学校にあたしにも光が差し込んだ気がした。

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