2024.11.13 「アンタッチャブル」('87)
なんと、二日連続更新。二日連続で名作続きとは、ありがたいことです。
「アンタッチャブル」、これは言わずと知れた、有名な作品ですね。
メインテーマの、あのメロディー(エンニオ・モリコーネ作曲「死のテーマ」)は、聴き覚えがある人は多いのではないでしょうか。
「アンタッチャブル」で検索すると、芸人さんの方が先に出てくるのが、時の流れというか。ちなみに、芸人さんの「アンタッチャブル」の名前の由来は、この映画。
私は初見です。(名前だけ知ってるけど見たことない作品、多すぎなんだな。)
では、午後のロードショー公式X(旧Twitter)の紹介文をいきましょう。
「1930年 禁酒法下のシカゴでは
密造酒をめぐるギャング抗争が激化
財務省特別捜査官のエリオットは
巨大組織のボスで暗黒街の帝王アル・カポネの摘発に乗り出す
特捜班4人とカポネの闘いの行方はー。」
今日の紹介はわかりやすいね!
このポスト(ツイート)、普段の時の三倍くらいの勢いでリポスト(リツイート)されてました。それだけ愛されている作品なんだなぁ……と。
補足説明は要らないかな……。
街を牛耳るギャングのボス、アル・カポネ役には、ロバート・デ・ニーロ。
財務省からカポネの尻尾を掴むために派遣された役人、エリオット・ネス役には、ケビン・コスナー。
同じく財務省から派遣された、専門は簿記のオスカー・ウォレス役に、チャールズ・マーティン・スミス。
ネスに協力する地元警察の警官、ジム・マローン役に、ショーン・コネリー。
マローンに射撃の腕と気概を見込まれた警察学校の優秀な学生ジョージ・ストーン役に、アンディ・ガルシア。
今だと錚々たるメンツで、どんだけ制作費かかるんだ? って思いますね。
今スターである彼らが、一躍脚光を浴びた作品だそうです。(ショーン・コネリーに関しては当時でもスターではあったんだけども。)
初っ端、ギャング同士の抗争きっかけで、お母さんのおつかいで買い物に来た女の子が死んでしまう。
この展開、まったく予想してなかったので、凍りついた……。
え、ちょ、待っ、それはあかん……と、エセ大阪弁出た(※私は関東人)。
そこから、ネスがカポネを司法の場へ引き摺り出すための仲間集めが始まる。
ネスを含め、たった四人のチーム。だけど、優秀なこのチームは、カポネを着実に追い詰めていく。
中盤まで、カポネの一味はどんどん検挙されていって、国境際の大きい取引もネスたちは見事に潰す。(その国境際の取引を潰しに行った時の、騎馬での銃撃戦、西部劇風味もあって、いい絵面だなーって思った!)
この国境際の銃撃戦の時、どう見てもあんまり強くなさそうなウォレスが、一番ヒャッハーして活躍してるのとか、もうイキイキしてて。
これは小気味いい展開だねぇ! なーんて思ってたわけですよ。
その次のシーンで、カポネの猛反撃が始まるなんて、思ってなかったわけですよ。
エレベーターの壁の「|TOUCHABLE(意訳: お前たちに手出しできるぞ)」の血文字とか、もう……。
そのシーン、本日二回目の、え、ちょ、待っ、それはあかん……が出るシーンでした。
以降、前半以上の流血。凄惨な報復が次から次へと。
もう聞きたくないよ、シカゴ・タイプライターの音は……って、死んだ目になる。(※シカゴ・タイプライターは、当時警察・ギャングともに使用していた、トンプソン・サブマシンガンの別称。トミーガンとも。)
たった一時間、もしくは一時間半しか見てないはずのあのキャラ、このキャラの死に様に、奥歯を噛み締めてしまう。
それだけ感情移入してしまう、演技と作劇なんですよね。(吹き替えの声も本当にぴったりだった。)
これだけ感情移入して見られる作品って、やっぱり素晴らしいなと思う。見習わなきゃな。
そして後半、階段落ちと言われるシーンがあるんだけど、ここは本当に、
「お母さん、もうちょっと効率よく乳母車運ぼうか!」(※1930年だから、ベビーカーではなく、乳母車)
とイラついてしまった(苦笑)。
当時の乳母車、もしかしたら、めちゃくちゃ重くて、階段運ぶの大変なのかもしれないけど!
なんかこう、もうちょっとスムースに運べたんじゃないんか?
みたいなツッコミがよぎる中、あろうことか、その階段で銃撃戦が始まる。
足で、転がり落ちた乳母車を止めて、尚かつ射撃をこなすストーンが、かっこいいのなんの。
そこから、今度は裁判所を舞台に、カポネの一味 V.S. ネスたちに。
さすがに法廷で撃ち合いはしないものの、裁判官はサクッとカポネに買収されていたり、ネスたちには困難な状況が続く。
司法の人間すら買収できたカポネ、めちゃくちゃ権力者ですね。そりゃ迂闊に手を出せないわ。
果たして裁判の行方はーー。
いやー! 面白かった!
前半、ネスたちにとっては調子良く進むから、このペースで悪党を取っちめて、スカッとするのを見てたいなー……なーんて淡い期待をしたけど、そんなスカッと系なら、メインテーマがあんな不穏なわけないんだわ。
そりゃ、アル・カポネですもん。やられたままで終わるかって話ですよ。
とても上質なクライムムービーでした。
名作って呼ばれるだけの、確固たるものがありました。
あと、ラストシーン。
記者からの質問にネスが「一杯やるよ」って返すの、皮肉きいてて良かったな。
映画っていいですね。良作に出会うと、心からそう思います。
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