2024.11.12 「マイ・ボディーガード」('04)


 毎度お馴染み、午後のロードショーの公式X(Twitter)の紹介文はこちら。↓


「元CIA工作員のクリーシーは

富豪の一人娘ピタのガードマン


クリーシーは次第に天真爛漫なピタに

親子にも似た愛情が芽生えるようになる


ある日、誘拐団に襲われ

クリーシーは銃撃戦の末に瀕死の重傷を負い

ピタは攫われてしまう…」



 あれ、前回よりもちょっと中身ある……。


 あらすじの補足を少し。

 この話の舞台は2003年のメキシコ。

 長引く政情不安により、犯罪グループによる誘拐が、ビジネスとなっていた。

 

 元米軍対テロ対策部隊のクリーシー(デンゼル・ワシントン)は、実業家サムエルの娘ルピタ※通称ピタ(ダコタ・ファニング)のボディーガードとして雇われる。


 ピタとの交流で、束の間の平穏が訪れていたクリーシーの日々は、ピタが犯罪グループに誘拐されてしまい、脆くも崩れていく。


 誘拐した犯罪グループが、腐敗した司法警察幹部や現役警官などとも繋がっている、と知ったクリーシーは、ある決意をする……。

(原作小説は、A・J・クィネル「燃える男」。)




 雑多ながら、唯一無二なメキシコの風景。


 クリーシーが、犯罪グループのメンバーを淡々と拷問して、情報を聞き出すシーンがありまして。クリーシーの吹き替えは大塚明夫さん。

 デンゼル・ワシントンのビジュアルで、大塚明夫さんの吹き替えは、迫力がありすぎる。

 クリーシーの、元対テロ対策部隊出身という設定が存分に生かされる。

 クリーシー、犯罪グループ相手に、めっちゃ復讐しまくる。いわゆる、「一人で戦争おっ始めた」状態ですよ。



 クリーシーのトラウマ表現や、流血シーンの直接描写を避けるためか、かなり小刻みに画面が揺れたり、ぐるぐる動くカメラワークが何度も出てくる。

 これが、ちょっと目が疲れる。臨場感あって、オシャレな映像なんですけどね。


 劇伴では、ドビュッシーの「月光」が使われているシーン。良かったです。

 私が、ドビュッシーの「月光」の、真冬の月の無機質さみたいなものを内包した、透明感のあるメロディーが大好き、って言うのもあるんですけど。

 その「月光」が使われているシーン、作中で数少ない「静」の場面なんですよ。夜景だったり、なんてことないシーンだけど、印象に残る。



 以降、終盤の内容にちょっと触れるので、見たくない人は戻ってくださいね。


















 ラスト、ピタが生きていると判明し、犯罪グループ元締めから、クリーシーの命と引き換えにピタを解放すると持ちかけられてから。

 

 犯罪グループとの待ち合わせ場所で、解放されたピタがクリーシーに泣きながら抱きつくところ。

 わかってたんだけど、やっぱりグッとくる。


 抱きついたピタから「クリーシーもお家帰るよね」って確認されて、「帰るさ、」って返すの、めっちゃくちゃ洋画っぽさありましたね。(※この時点でクリーシー、負傷のせいで死が目前に迫っている。)


 このまま終わってくれてもいいよ……とか思いましたが、もちろんそうはいかない。



 安易なハッピーエンドにならないのも含め、いい作品でしたね。






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