九泊目♪ ハーレム♪

「おい! 誰か来たぜ?」


「ゆっさゆっさと小走りなのにすごいわね?」

「久遠ちゃん、そんなに嘆かなくていいんだよ?」

「あんたに言われたくないけど?」


「こんにちわ〜?

陽和ひわちゃ〜ん。

あら、久遠くおんちゃんも。

来ちゃいました〜」


「こんなゆっさゆさ知りません」

「顔を見てあげなさいよ。

先生、眼鏡ずれてるし」


「んん? あれ? 誰だっけ?」

「さっき挨拶したばっかりよね!?

先生、ほんとに働きに来たんですか?」


「覚えてくれてなくて、先生悲しいです〜。

旅館で働かせてもらいにきました〜。

大棟おおむね 夢楽ゆらで〜す」


「夢楽ちゃんの特技は何かなあ?」

「いきなりちゃん付けかい!」


「特技ですか〜? ……先生?」

「それ、職業ですよね!?」


「それじゃあ、理科?」

「旅館で理科ってどうなんです?」


「ん〜〜〜? 他にはないかなあ?」


「お風呂掃除要員が増えたね!」

「お風呂掃除だけなの!?

わたし、いいかげん帰るわね」


「久遠ちゃんて一人暮らしなんでしょ?」

「そうだけど?」


「家賃もったいないから、住み込みで働こうよ!

天然温泉付きだよ!」


久遠ちゃんのバックにライトニングな稲光り!


「なんですって!?

老後の貯蓄に安心な住み込み!

でも働くのは!?

女子高生に囲まれた学園ハーレム生活を送る休暇が目的なのに!

労働!

貯蓄!

正直、悩む!」


「なかなかの目的だね?」


「先生は住み込みでお願いしま〜す」

「即決!?」


「家賃に〜、交通費に〜、食費に〜。

学校近いし、女子ばかりで安心だし、天国じゃないですか〜」


「玄さんは男よね!?」

「あれ〜? 久遠ちゃんてよぼよぼ枯れ専?」

「違う!」


「ところで、みんなしてケモみみにケモしっぽなんて、ここはコスプレ旅館かしら〜?」


「大当たり〜!

よくわかったね!」

「コスプレでいいんかい!

……いいんだわ!

モンスターなわたしたちがばれると面倒よね?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る