八泊目♪ すりすり♪
「そうだよ! 変化!」
くるんと変身魔法少女っぽくかわいくぼふん♪
「ほら! わたしはタヌキだよ!
たぬき耳にしっぽが悩殺かわいいでしょ!」
「悩殺ではないわね?」
「
「なによそれ!
あんたたち人間!?
どういうこと!?」
「むはは〜!
なにを隠そう!
この旅館、
妖怪の妖怪による妖怪のための隠れ宿!
わたしはここのプリティ女子高生な女将なのだ!」
「ジャパニーズモンスター!
やっぱり日本にもいるのね!」
「日本にも?
久遠ちゃん、妖怪を知ってるの?」
「あ〜。実はわたしもなのよ」
くるんとかわいくぼふん!
「あ〜! ワンちゃん!
ほ〜ら! とっておいで!」
葉っぱを変化したボールをぽいっと投げると♪
「わふわふわお〜ん♪」
ぼふん!
「は!? 思わずビースト変化を!?
何やらすのよ!
北欧の気高い狼よ!」
「え〜? 目つきの悪い豆柴ちゃん?」
「このワイルドな耳としっぽ!
どっからどう見ても狼だから!
もう! いっちゃん、ハートブレイクなわたしを癒して!」
「わ! 意外とすばやいやつ!」
「なんてかわいいの!」
「ほっぺたすりすりするんじゃねえ!」
「それで? 狼女な久遠ちゃんの得意なことって?」
「得意なことなんてないわ!
(得意なことはスナイパーライフル!)」
「え〜? じゃあ、うちの旅館で何してもらおうかなあ?
一番いて欲しいのは料理人なんだけど、天然温泉のお風呂洗いとかかなあ?」
「温泉あるの!?
しかも天然!
リゾートや温泉なんて行ったことないから入りたい!」
「うちで働けば毎日入り放題だよ!」
「う! 客としてならいいでしょ!」
「ん〜? まずは営業再開しないとだし〜。
お風呂も洗ってないし?
やっぱり得意技ができる人が従業員になって欲しいよね?」
「そういう陽和は得意なことあるの!?」
「もちろん!
わたしの得意技は!」
「得意技は?」
「女将!」
「具体的には?」
「具体的? 女将だよ?
看板女将!
いるだけで商売繁盛!
みんなに働いてもらって楽ができる!」
「お前が働け!」
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