プロット『フェアリーフォックス・フェアリーテイル』

キャラクター

キャラクター

年齢は第一部開始である晴歴二〇一〇年六月時点

チトセ・ホクラニ

　本作主人公である妖精狐の少年、十歳で初等学校五年生。もふもふの狐耳と尻尾に真珠色の髪のポニテ男子。性別という概念を超えた美少年。

　魔力の暴走で故郷に大雪を降らして被害を起こしてしまい、魔法回路の修復とメンタルケアのために結界都市メモリアの市民となることに。市民として正式登録されるまでの間、

　魔力の暴走を歌で鎮めてくれたシュゼットに『特別な気持ち』を抱く。涼やかで真っ直ぐな気質で、自分や他者の想いにも誠実に向き合える。

　種族解放大戦の英雄を祖父に持ち、自らも戦闘部族『氷雨』の血を引いているので生まれついて身体能力が高い。祖父の名前に惹かれて自分や家族に近づいてくる人間が多いため、警戒して表面的な人付き合いしかしていなかった。

シュゼット・フローレス

　本作ヒロインである人類種の少女。十歳。桜色のウェーブがかったロングヘアに藤紫の瞳の小柄な少女。コールサイン『スターゲイザー』。

　何かと悪名高いセント・グラシエラ王国出身。女神セレスティアの神通力を歌で操る歌巫女であり、故に聖女グラシエラの理念・思想のみを良しとするセントグラシエラでは生まれた時点で異端者として聖堂に隔離されていた。実は王と王妃の間に生まれた第二王女だったりするも、異端者なのでとっくに王家からは除籍を受けている。

　国を変えるための『計画』に参加予定だったが、計画が漏洩されて聖堂が国軍に襲われたことで歌い兵士を昏睡させる。転移魔法でメモリアに脱出、保護されて巫女見習いとしての実習のためという体で暮らしていた。　自身の希望からアルコバレーノ各地に転移魔法で赴き子どもたちの魔法の暴走を鎮めていたところ、チトセと出会い異種族に興味を抱く。

　世界の平和を祈り続け、生き物全般を愛する心優しく清楚で可憐な性格。一方で暴力には果敢に立ち向かい、少数でも犠牲が出ることを良しとせず解決策を模索する理想主義かつ、理想を叶えるためには行動的な面もある。

セレスティア

　ちょこっと登場する愛と夢の女神。浮世離れした美の持ち主。

　実は結界都市メモリアの代表を務める。結界都市はもともと罪を起こした神族の懲罰のためのシステム。

　大戦で愛した人との思い出の地を無残に壊され、神罰としてその場にいた戦闘員を所属問わずに全員３７５６４したところ広域に被害が渡り、また神罰自体も自分勝手なものとして罰を受け、自身の結界で囲われた都市で訳ありの子どもたちに安全な場を提供し続けることになる。

　今でこそおおらかで落ち着きある女神様。夢の中でチトセやシュゼットを力づける。登場シーンは少なくも重要キャラの一人。

ベンジャミン・アンドレイア

　メモリア市民である子どもたちの新米生活支援員。人類種の二十三歳で、つんつんした薄茶の髪の華やかな見目の青年。ヴォロンテ市出身。

　一見は巨大な繁華街の有名ホストクラブで不動の指名一位取ってそうな人（チトセの感想）。

　こう見えて中学時代に家庭の事情に困っていた同い年の恋人が自死し、助けきれなかった大人たちに反抗して荒れていたいう重い過去がある。

　当時は騎士のヒサシに散々お世話になっており、チトセの担当になったことで運命の悪戯だと笑っていた。数年に満たないながらヴォロンテにて未成年退魔師の実務経験あり。責任感が強く飄々として気さくな好青年で、新人ながら有能と目される。

　子どもたちには秘密の上で、夜間にはメモリア外周の森で退魔に従事している日もある（チトセがそのことを知るのは二部以降）。いつ寝てるんですかねこの人？

エリーゼ

　メモリアの生活支援員を務める精霊アンドロイド。十代後半（一七～一九歳くらい）の少女を模した機械の体を持つ。無邪気で親しみやすい性格かつ丁寧な口調と仕事ぶりが評判。夜間眠れないチトセやシュゼットの話し相手になる。

　精霊として命はどこまでも対等という価値観を持ち、人間同士で序列をつけたり殺し合ったりといったことが理解できないししたくもない。

ヒサシ・ホクラニ

　チトセたちの父である妖精狐。王国騎士団ヴォロンテ支部所属の魔法騎士でもある。市民のためなら危険な現場にも臆せず突入できる上、犯罪被害者のケアも担当し人々に寄り添い続ける人情派。

　実の父エイジには純粋な敬意を持って接するも、ライトハウス代表として世界を飛び回る父を誇りに思いながら寂しさも感じていた。その頃を取り戻すかのように、自身の妻や子どもたちには積極的に温かく接する。

　つくられた戦闘種族『氷雨』として魔法で戦闘・身体能力を持つよう遺伝子を調整されている父母を持つため、戦闘職業に就くことを半ば強制された過去がある。

ミスズ・ホクラニ

　チトセたちの母。雪月花の美を持つ雪女。二十代に見える四十代。

　羨ましがられる若く見えすぎる容姿を人知れず気にしており、だからかおばさんと呼ばれても決して怒らない。アパレル店のオーナー兼店長と母親として多忙な日々を送る。若干心配性な面があり、特にアンジュの将来を案ずる。

　雪女の母と人類種の父を持ち、閉鎖的な者も多い雪女には珍しく社交的。

　心配性ながら過度にはならず、ナユタが一時期諸問題を起こしたときは心配しながらも見守りに撤していた。時に危険な仕事も受けるヒサシへの心配が尽きずにいたが、夫を信じると決めて以降どこか吹っ切れている。

ナユタ・ホクラニ

　チトセ、アンジュの兄である妖精狐。アルコ・イリスの優秀な高等学校一年生の十五歳で、幼いころから独学で現役魔法士（魔法を職業としている人の総称、国家試験あり）も真っ青なほど多種多様な魔法を操る神童。闇雲に挑戦するだけでなく善悪の区別もした上で行動できる。

　中学時代に友人に体罰を課した教師とそれを隠蔽しようとした学校側に対して不信を抱き、一時期わざと大人たちを試す行為（全校集会で教師陣のえこひいきの暴露、割と本気でナユタ自身を危険に晒す行為など）を繰り返していた。現在は落ち着いているも、意図せずチトセが魔力を暴走させるトリガーとなってしまい悔やんでいる。

アンジュ・ホクラニ

　ナユタ、チトセの妹である妖精狐。病弱でヴォロンテ市内の病院内の院内学級に所属する初等学校三年生で四月生まれの九歳。清楚で控えめな大和撫子。妖精種特有のとある持病に悩まされているも決して人生を諦めない。死亡フラグが立っているけどこの子も生きる。

　本編一部には名前のみ登場、でも名前が出る回数はおそらくセレスティアより多いと思う。

ウィルフレッド・ハイレン

　メモリアの少年退魔師、人類種の十歳で初等学校五年生。愛称はウィル。コールサイン『ブラックパンサー』。短い黒髪に真紅の瞳、浅黒い肌の容姿。

　フェリーチェと一緒に特別滞在病棟に忍び込んでくる。年齢の割に冷静沈着でシビアな大人びた少年。

　ラインハルトから『お姫様』の話を聞いてシュゼットが何者か確かめに来たが、シュゼットが『あの国』の人間だから気になったという自分の偏見にも気づいてはいる。

　魔法医師の一族に生まれるも、魔法適性で治癒魔法の才がないに等しいとわかりネグレクトを受ける。使用人の密告で行政保護されるも、近隣の施設だとその施設がハイレン家の怒りを買うからとメモリアへ保護された。今なお残る貴族主義の残滓の犠牲者。親に愛されなかったことから親子愛と家族愛が信じられずにいる。姉クラウディアは唯一『仲が悪くない』家族とのこと。

フェリーチェ・アルセ

　メモリアの少女退魔師、ハーフエルフの十歳で初等学校五年生。コールサイン『クローバーリーフ』。金髪ツインテールに翠眼の元気娘。

　ラインハルトからシュゼットの話を聞いてウィルと一緒に病棟に忍び込んでくる。

　エルフの小国グリューンネーベルの出身。人類種で研究者の父とエルフの母の一人娘。グリューンネーベルの『混血』をよく思わない慣習から逃れるために父の故郷であるアルコバレーノ王国クロイゼルン市に移住するも魔力の暴走で物理的に家にお花畑を発現させてしまいメモリアに来た。蹴り技が得意。

ラインハルト・グラスト

　チトセより先に病棟にいた十歳の人類種の少年。金髪碧眼のイケメン。

　短いながらチトセ、シュゼットと交流している。チトセに一目惚れして、同性を好きになったことに激しく戸惑っている。暴走で落ち込むチトセを彼なりに励ました。

　祖父母が遺伝子をいじられた『人造兵士』。ラインハルトも力を受け継ぎ持て余している節がある。

エイジ・ホクラニ

　チトセの父方の祖父にして、前大戦を終結に導いた英雄。

　大和皇国内でつくられた『人造兵士』の中では傑作と言われる『氷雨』。『人造兵士』であることを隠すため大和首都にて活動する退魔師の一族『氷雨』として生まれ生かされていた。

　十代で敵兵とはいえどたくさんの人々を殺してしまい、その負い目から戦後は国連直属の人権保護組織『ライトハウス』で紛争地帯の民間人保護のため積極的に活動し、チトセが生まれたころ代表に着く。

　紳士的で丁寧な物腰、有言実行の行動力から多くの人々に慕われている。