エピローグ 時の流れ

62話

第62話

あれから、二年が過ぎていた。また、桜が咲く季節になっていた。


 駿と楓は別れて、あれ以来、クラスも分かれ、卒業の時も話さな

 いで、一度も、関わってなかった。楓は、大学生になっていた。


 ちょっと髪を伸ばし、大人っぽくになっていた。ずっと宏雪と付

 き合っていた。


 もう一方の宏雪も、玲子と会っていなかった。


 ある日、楓はまだ、桜が蕾みだった桜道を歩いていた。


 その前から、髪がロングで、真っ黒いパンツスーツを着た。

 キャリアウーマンの女性が、楓に、近づいて来る。


「元気だった? 楓ちゃん」


「えっ」


 驚く楓。よく見る玲子だった。


「忘れたかしら。楓ちゃん」


「はい、元気です。玲子先輩も元気ですか? 何年ぶりですかね」


 楓は玲子に問いかける。玲子は、笑って言った。


「時間はあるかしら。楓ちゃん」


「はい、ありますよ。玲子先輩」


「お茶でも、ゆっくり、飲みましょう」


「はい、行きます。玲子先輩」


 楓は笑った。


 そして、二人は歩き出した。しばらくして、喫茶店に着いた。

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