63話
第63話
その喫茶店に入った。
「二年ぶりよ。楓ちゃんはどう?」
玲子は足を組んだ。楓は、笑いながら、照れくさそうに言った。
「宏雪と付き合っています」
「そうか、今でも付き合っているね。でも、駿君に会っている?」
「会っていないよ。玲子先輩」
「まだ、許せないの。楓ちゃん」
「まだ、許せないとか違うの。ただ、駿には頑張ってほしいし、
それぞれの道は、違っていたしね。駿を好きになった事は、
後悔してないし。後悔はしたくないの。あんな別れ方をしたけど、
二人にとっては、良かったと思っているんだ。良い思い出なんだ」
楓は、きっぱりと言った。二人は、色んな話をして、喫茶店を出た。
二人は、それぞれに歩いて行った。
それから、数日後。桜道の桜が、満開になっていた。宏雪と楓は、
手を繋いで歩いた。
「宏雪、この間、玲子先輩に会ったの。早く大学に行こう。わぁ、
桜が奇麗だね」
楓は風で吹く髪を手で抑えた。宏雪は楓に近づきながら、歩いていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます