49話

第49話

そして、土曜日が来た。楓は、何で玲子が急に、自分を家に泊まりに

 誘ったか、ずっと考えていた。


 楓は、とりあえずに、一泊する為に、自分の家に帰った。


 自分の部屋で私服に着替えて、リュックに服やパジャマ等、詰めている。


 誰かが来た音がした。楓のお母さんが台所から玄関に行きながら。


「はい、只今、ドアを開けます」


 しばらくする楓のお母さんが楓の部屋に来てノックをした。

 楓は、手を止め、ドアを開けた。


「はい、お母さん、どうしたの? 誰か来た? 私に用事?」


「この前、お見舞いに来てくれた『宏雪さんっていう人が、友達に頼まれて

 迎えに来た』って、言っているの」


「分かった。もう出来たから。じゃ、行って来ます。お母さん」

 楓はリュックを持ち、玄関に行った。


「この子、頼みますね。頼りないから。行ってらっしゃい。楓」


 楓のお母さんが笑って見送る、宏雪は、笑って返事をした。


「はい」


 二人は、歩き出した。楓は、歩きながら宏雪に聞いた。


「どうして、宏雪が迎えに来たのかな?」


「え~っと、それは、玲子が楓の家が分からないから。


『楓ちゃんを迎えに行って』と言ったから」


 宏雪はにっこりとする。二人は、色んな話をしながら、歩いている。

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