第七章 さよならの瞬間

43話

第43話

ドタバタと大勢の足音が聞こえてくる。ガチャと屋上のドアを開いて、


 大勢の人影が、近寄ってくる。


「いたぞ。お前ら、ここで、何をしていんだ。二年の塚野楓と三年の柊宏雪が、

 どうして一緒にいるのか? それに、柊、『お前』っていう優等生が!」


 生徒指導の先生が怒鳴った。楓と宏雪は目を覚ました。


 宏雪は、思いっきり、背伸びした。


「う~ん、もう朝か。楓で、起きろよ。やばいぞ。生徒指導の先生、

 他の先生達も、楓の家族も、来ているぞ」


 宏雪は、朝日が差し込んでくるのを、手で避けようとしている。


「う~ん、眠いよ。宏雪、おはよう。ふうん、えっ、ごめんね」


 楓は先生達を見て、パッと起きた。楓のお母さんが、楓を抱き締めて。


「心配したのよ、楓」


「ごめんね。お母さん。でも、何となく、星が見たかった。宏雪とは、

 何もなかったから。ただ、心配してくれて、一緒にいてくれただけから。

 宏雪を怒らないで!」


 楓は謝った。生徒指導の先生が怒っている。


「後で、二人供、話があるから、生徒指導室に来るように!」


「はい、分かりました」


 宏雪は返事した。同じように、楓も返事する。

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